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京都学・歴彩館

2025.05.29

ブログ 施工事例 造園部

~造園部の陳です!

今回は、京都府立京都学・歴彩館(きょうとがく・れきさいかん)の一階にある光庭の植栽工事を手掛けました。こちらは2017年に旧京都府立総合資料館の後継施設として開館し、「京都学の研究・交流・発信」や「京都関係資料の収集・保存・公開」を行っている総合文化施設です。

施工前

施工後

京都文化の発展及び学術の振興を目的に設置された施設とのことで、京都らしい風景を演出するというコンセプトに決まりました。真中にある水路は京都の鴨川を、庭は北山、東山、嵐山、御所エリアに見立て、各エリアの特徴的な植栽を配置しています。
北山エリア ➡ 北山杉(産地として有名)川端康成の小説『古都』にも登場します。
東山エリア ➡ 永観堂のモミジ 古今和歌集でも詠われ「モミジの永観堂」と呼ばれて親しまれています。
嵐山エリア ➡ 天龍寺のツツジ 四季折々の花が美しい「曹源池(そうげんち)庭園」が有名ですが、総門横のツツジの植込みも見事。      
御所エリア ➡ 京都御苑のシダレ桜 近衛邸跡に咲く桜は糸をひいたような姿から糸桜とも呼ばれ親しまれています。 

イメージ図は下記の通りです。

平面図

山の自然な風景を醸し出すため、北山エリアは全体より高めに造り、北山杉やミツバツツジを植えました。

川沿いにセキショやシダを配置し、水辺の風景を演出します。

春先にはキリシマツツジ、ミツバツツジそしてシダレザクラが次々に咲き出し、光庭を彩ってくれました。

こういった自然な風景が求められる現場では、同一間隔に同形同大の樹木を植栽する整形植栽よりも直線的な配置を避けたり、不等辺三角形を意識した配置をした方が全体的に綺麗に見えます。
今回の現場は四方から庭を眺めることができるので、最初はどこから見ても植木が直線的な配置にならないようにするため苦労しました(笑)。四方はほとんどがガラスで、歩きながら見る角度が変わっていくと、どこかで線になってしまいます…
何度も配置換えをして試行錯誤した結果、自然で美しい庭を創り上げることができたと思います。

京都学・歴彩館の主な事業は
①京都学の研究・交流
②京都関係資料の収集・保存・公開
③京都関係資料に関する調査・相談
④誰もが学べる、交流・発信の場所の提供
とのことで、京都について深く学びたいという方はぜひ、有効活用していただきたく存じます~

光庭の南側に庭のコンセプトや配置図、ベンチを設置しておりますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りいただき、ゆったり座りながら庭の景色をお楽しみください。

ところで話題を変えますが、 私は3年目から施工管理技士として、上司と現場に行くことが増えてきました。作業の質はもちろんのこと、安全管理の大切さを何度も気づくことができました。
お客様のニーズを正確に理解し、ご満足いただける施工を実現するのはもちろん重要ですが 、作業現場の安全に対する配慮も不可欠です。事前に事故につながるような危険な箇所がないかをチェックし、安全対策をすることも仕事の一環ですね。

今回の現場の端側には滝のような水景設備を取り入れていて、一階から地下一階までおよそ4mの高さがあります。作業に集中するあまり、ふいに転落してしまうリスクが高いので、端側をカラーコーンと標識ロープで囲い、注意喚起を促します。
事故を防ぐには、現場KY活動(危険予知活動)で安全に関する情報共有を行うことも方法の一つです。
注意点を伝えるなどのコミュニケーションを図ることにより、現場に関わる全員の安全への意識が自然と高まります。
今後も、品質を向上させながら安全な作業環境を維持し、お客様に安心して工事を任せてもらえるような環境づくりと安全確保に努めていきます。