こんにちは。総務部の柚口です。先日、京都府立植物園へお宝の見学に行ってきました。そのお宝とはテレビの某番組で紹介されていた『本草綱目(ほんぞうこうもく)』(金陵本(きんりょうぼん))です。テレビを視聴していたわけではなかったのですが、たまたまYouTubeにUPされていたニュース番組を見て興味を持ちました。
本の一部が5月8日~17日に特別展示会で公開されると知り、私は最終日の17日に訪れました。場所は、植物園会館2階多目的室です。1階の階段から途中の踊り場、2階の会場まで猫のイラストが描かれた「展示会場はこちら」の案内板が立ててあり、思わずクスッと笑ってしまいました。

会場には展示ケースと解説パネルがあり、『本草綱目』(金陵本)とはどのような本なのか本の由来や中身、その価値について素人でもわかるように平易な説明がされていました。


『本草綱目』とは、中国が「明(みん)」の時代に「李 時珍」(り じちん)という医師によって16世紀にまとめられた百科事典のようなもので植物や動物についてあらゆるものの薬効が記されています。「金陵」というのは南京の昔の呼び名で、初版本には最初の出版地である「金陵」の文言が入っていることから「金陵本」と呼ばれているとのこと。
1596年が初版とのことで、400年以上も昔の本なのにあまり虫食いや日焼けなどで劣化している様子がなく見た目が綺麗なのには驚きました。また欠本はあるもののほぼ全巻揃っている状態(全52巻のうち46巻)とのことでよく散逸しなかったものだと思います。2011年にはユネスコ世界記憶遺産にも選ばれたそうで、52巻ほぼ揃っているのは世界で8組しかないとのこと。


本には植物はもちろん、「龍」など架空の生き物まで掲載されており、なかなか興味深かったです。なんと「人の魂」や「木乃伊(ミイラ)」まで記載があるとのこと。まぁ、ミイラは江戸時代の日本でも「万能薬」として珍重されていたらしいので意外とは思いませんでしたが。
実際に効能があったようで、というのは、エジプトのミイラには腐敗を防ぐために防腐剤としてミツバチの巣からほんのわずかしか採取できないプロポリスが使われていたからです。現代では「天然の抗生物質」と呼ばれ最高の健康食品として高値で販売されていますよね。抗菌作用が強く、滋養強壮にも効くとされ、さらにピロリ菌にも効くので胃腸炎にも効果があるようです。実際に効果があったからこそ当時は薬として人気があったのでしょう。しかし「魂」は・・伝承の類とは思いますが、目に見えないので、どのようにして効能を調べたのか不思議です。


ところで、このお宝は植物学者の「白井 光太郎(しらい みつたろう)」氏が京都府立植物園の運営する「大森文庫」に寄贈されたそうなのですが、職員の方々は本物かどうか半信半疑であったそうです。AIに質問してみたところ「明の時代ではありえない紙質」、評価額は「3万円」との回答だったそうで・・なのに番組で「1億円」という評価額が出たのですから驚きですよね。AIも存外、いい加減なものだと思いました。貴重な学術本なので大切に後世に残していただきたいものです。
展示室には職員の方が手作りされたというガチャの景品を使った某番組っぽい展示物も置かれていて、面白みがありユーモアを感じました。

今度は所蔵本の全てが6月13日~7月5日に植物園のお隣にある「京都学・歴彩館」展示室にて公開されるそうなので、興味がおありの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
