

石と庭
こんにちは。造園部の陳です。
全く知識も経験もない状態で入社した一年目が終わり、やっと造園とはどんな仕事ですかと尋ねられたときに答えらるようになりました。笑
そんな私ですが、まだまだ未熟な自分に色んなチャンスを与えてくれる上司達に恵まれ、初めて石仕事を一緒にさせていただきました。
今日は鴨川沿いの住宅区にある個人邸でのお仕事の話です。
ご依頼主様は石がお好きな方で元々、庭に立派な石がたくさん使われていたのですが、
今回の改修工事で余った石を捨てるのは勿体ないので 何か他の用途がないかと思案しておられました。なので、現場にある石を庭や外構に使用して欲しいというのが今回のリクエストです。
センスが問われる裁量度の高い仕事だと思われるかもしれませんが 、 そこはやはりどんな仕事でも基本のルールや施工上の注意点などがあります。
安全で快適な歩行環境を整えることが最優先ではありますが、 さらに造園空間においては景観美も求められます。例えば、見栄えの面を考慮すると石の組み方として、通し目地や四つ目地、六つ巻きは好ましくない等々…
そういったことを意識しながら工夫して頑張りました。
作っては壊しという試行錯誤を何度も繰り返し、時間がタイトになってしまいました!めちゃくちゃ冷や汗です・・



自然石で、さらにそもそも石積で利用した石ではなかったこともありますので、 一つ一つを合わせていくだけでもかなり大変でした。しかし、それも自然石ならではの面白味ではないかと思います。

家から庭へ降りる際の段差を解消するために沓(くつ)脱ぎ石として活用できそうな石をまず選別します。
そして、より安全に降りられるように沓脱ぎ石の両側に小さめな石を据え付けました。
任されたのは改修工事で掘り出した大量の雑石を沓脱ぎ石の周りに貼り付ける仕事です。
まず面が平らな石を一つ一つ選別することから始めます。
デコボコした庭にならないように石を並べながら 石畳の高さを測ったりしました。
想像以上に時間と手間がかかり、なんと半日で1㎡も貼れなかったです。(ショック・・)
石を貼る中で一つの物事を極める日本の職人精神を感じました。


形や表面の仕上がりは自然そのものの自然美です。
石の魅力は同じものが一つとしてないということだと思います。
石の大小があったり、目地も不規則なので、味わいが増してきますね。
それが変化に富みそれぞれの庭にうまく調和していくんだろうな~と感じています。

石を据えた後に何度も歩いてみました。
自然石のナチュラル感を醸し出す継ぎ目は、家から庭に降りたときにワクワクします~ステキ!
いつか自分の家もこんな風にしようと思いました!笑


採石場で相応しい石を買ったり、 綺麗な庭を創るのも凄いですが 元々ある石を無駄なく活用し、新たな魅力を創出するのも素晴らしい仕事だと思います。
今回は自分ができる限りの工夫をし、多少時間がかかっても私が納得できるまで仕事をさせていただくことができました。できあがった石庭について、ご依頼主様に大変喜んでいただくことができました。頑張ったかいがあったなあと、私も何より嬉しかったです。
今回の石仕事を通じて非常に貴重な知識や経験を得ることができまして、石の仕事にも興味が湧いてきました~
これからも今までと同じように頑張っていこうと思っています!!